7.23.2013

キャスカがキャスカになる前のこと - その2

キャスカの持ち込み理由は「皮膚の状態がひどくてみていられないから」だったそうです。

この後、キャスカはレポートの書き手であるChieさんご自身に引き出されてちばわんの保護犬となり、Chieさんのケアで犬らしい姿を取り戻し、我が家にやってきました。

心配された皮膚状態は、寄生虫かと疑われたものの診察をしたところ皮膚の脂症とバリア機能が弱ってしまったための炎症で、抗生物質などの投薬とこまめな薬用シャンプーにより、保護後一カ月でふたたび毛が生え始めました。


画像

(生え始めの頃。写真はChieさんのブログよりお借りしています)



練れていない私は、捨てた元飼い主はからだじゅうが炎症とカサブタにまみれて痒み死にすればいいのになと思っています。ええ、まったく穏当でない書きようなのはわかっていますが、つい。

生き物を捨てる人間の心持ちに「なぜ?」と考えるのはあまり意味がないと思っていて、結局そこにはうまらない溝があるのみで、理解はありえないんじゃないかな。

動物愛護の名のもとに、さまざまな「捨てないで」キャンペーンが行われているのを見ても、このメッセージのターゲットはこれを見ることもなかろう...と逆に暗澹たる気持ちになるのはネガティブがすぎるのでしょうか。ずっと考え続けています。


レポートに出てくる、キャスカと一緒に最終部屋にいた美しい毛色をした青首輪のオス犬は今はもういません。飼い主を咬んだという理由で持ち込まれ、そのために譲渡対象になれずに処分されたとChieさんから聞きました。だからこの犬の分までキャスカには幸せになってほしいと。


「犬は今を生きる」といい、過去の体験がトラウマとなり行動にあらわれることはあっても、本犬には鮮明な記憶はないと私は思っています(むしろ忘れていてほしい)。

飼い主も過去のことは忘れて...という考えもあるのかもしれませんが、この季節になるたびに私は当時のキャスカの姿を振り返ると思います。

かわいそうだったのねとか、幸せになろうねとか、そういう感情からではなく、うまく言えませんが、最終部屋の隅に小さく座り込んでいた時の彼女の目を見ることで、何があっても気持ちがブレずにいられるというか。

愛情がブレることはないので、ここで言う気持ちはなんというかシンプルな愛情ではなく、親としての心構えというか肝っ玉というか、、うーん、やっぱりうまく言えません。

家族になって5か月、日々の暮らしやトレーニングで笑ったり思い悩んだり、うまくいったり失敗したり。初心忘れず。いつでも安心して笑顔でついといで!と言える飼い主になれるよう、おかーさんはがんばります。



ちばわん、そしてキャスカの預かり親様のChieさんのところでは、多くの犬猫たちが本当の家族を待っています。一頭でも多く、幸せなご縁がつながりますように。くるくると楽しげな瞳で家族を見つめられる日が訪れますようにと願ってやみません。

■Chieさんのブログ: わん&にゃんのいる暮らし
■ちばわん: いぬ親/ねこ親 募集のページ


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2 件のコメント:

  1. はじめまして!でコメントさせて頂きます!「スピナーどん~」のナオピーです。
    私も里親になった人間の一人として、世間の「捨てる」→「殺処分」の現実に日々胸を痛めています。
    キャスカちゃんの持ち込まれた理由「見ていられなかった」というのを見て、もう、たまらなく涙が出て来ました、、、。
    もっともらしい理由をつけて自分への言い訳にする卑劣さに、腹が立って仕方がありませんが、
    どんな状態においても我が愛犬を「見ていられない」ような人物は飼い主になる資格は無い!と断言できます。
    そんな人と暮らすより、悲しい経緯を経てでも、今 tomomitさんと暮らせるキャスカちゃんは強運の持ち主だと感じます。

    私にとって保護犬の里親になった事は、人生最良の出来事です。
    そして、それらの施設をサポートしたいという気持ちが常に心にある事は、ごく当たり前の事なんですが、
    やはり、いくら熱弁をふるったり、賛同を得ようとしても、ごく身近にいる人々にさえ、結局はメッセージが届かない虚しさも感じます。
    でも、諦めてはいけませんね、、、。伝え続ける事が大事ですね、、、。
    キャスカちゃん、今はこんなに幸せで、本当に良かった~♪

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    1. ナオピーさん、ご訪問ありがとうございます!

      おっしゃっているジレンマや虚しさ、とてもよくわかる気がします。私にとっても里親になったことは数多くのものをもらい、考えさせられる大きな出来事でした。せめて自分と関わりのある人には、メッセージを伝えたいと願っていても、届かずに落ち込んでしまったり。でも、おっしゃるとおりですよね。自分にだって保護犬や動物福祉のことを、言葉では知っていても深く考えていなかった時があるんですもの。伝え続けるぞー!とあらためて思います。

      ナオピーさんのブログをさかのぼって読ませていただいて、犬たちすべてへの愛があふれているところがとっても好きです(僭越な言い方になってしまっていたら、ごめんなさい! うまく書けない~)。そして、キャスカのことを強運の持ち主と言ってくれて、嬉しいです。「レスキューだったの」というと「かわいそうにー」「ひどいわね」といった反応がよくあるけれど、「ラッキーガールね!」と言われるのが一番好きです♪

      あたたかいコメントをいただいたこと、とっても嬉しく、またちょくちょくご訪問すると思います。これからもよろしくお願いしまーす(^^)

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