そして昨日は何の日だったかというと、カボチャの日ではなくてですね、映画『犬に名前をつける日』の公開日だったのですって。初日も翌日も満員御礼だったというし、もう日本ではとっくに皆さんチェケラ済みなのでしょうか。先日、海をはさんでご縁があったはなこさん(ブログはこちら:ヨモギダイフク)から私は教えていただきました。
はなこさんは、保護団体ちばわんで預かりボランティアをなさっています。そう、キャスカをセンターから引き出してくださった団体です。メールを通じて知り合った時点では、はなこさんがちばわんで活動していることも、キャスカがちばわん出身であることも、お互いに知らず。やりとりをしていくうちにわかりました。ほんと、世の中は狭いです。
そんな嬉しいご縁に感謝して、今日は映画の紹介です。
「犬の幸せはどんな人と出会うかで決まる。
犬に名前をつけるとは、犬の命に責任を持つこと。」
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素晴らしいタイトルと、このキャッチコピーからして深く深く考えさせられるこちらの映画。小林聡美さんが、殺処分される名前のない犬猫たちと、それを救おうと人々を取材するディレクターを演じるドキュメンタリー・ドラマです。なにゆえドキュメンタリー?というと、これは山田あかね監督の実体験でもあったからですって。
東日本大震災以降、ちばわんと犬猫みなしご救援隊を取材し続け、撮りためたフィルムが映画になったものだとか。はなこさんちの預かりっ子で、最近赤い糸がつながった青ちゃんも出てくるんだとか。すこぶる観たいなあ...
とはいえ、非常に残念ながら私はDVDが出るまでお預けです。拙ブログの読者で日本にいらっしゃる方は、ぜひご覧になって「観てきたよ」と私を羨ましがらせてください。
◇『犬に名前をつける日』公式サイト
(※ページに飛ぶといきなり予告編ウィンドウが開いちゃうんだけど、ウィンドウ枠外をクリックすると閉じまする)
◇上映映画館情報は、こちらからどうぞ
◇『犬に名前をつける日』公式Facebookページ
◇『犬に名前をつける日』公式Twitter
■予告編(通常版)
■予告編(ドラマ版)
取材の場にもいらしたというはなこさんが、こちらで書いていらっしゃるレビューも、あわせてぜひご覧ください。ずっと現場でマンパワーでもって活動してきていらっしゃる方のまっすぐな言葉で語られるレビューは、とても深く感じいるものがありました。
何もできていない自分が歯がゆかったり情けなかったりで、落ち込んでしまうことも多いけれど、実際に救おうと活動している人のこうした言葉を聞いて何を考えるか。うまく言えませんが、現実をしっかり見続けて、小さなことでもその時できることを必ずやっていかねばとやっぱり思うのです。
「可哀想で見られない」という人にも、見てほしいです。
「見られない」「見たくない」と言う気持ちは本当によくわかる。
私も最初はそういうモノを避けていました。
でも「可哀想で見られない」と目を瞑っている私の後ろで
その「可哀想な現実」に晒されている犬たちはもっともっと過酷であるはず。
私たちは見なければ済むけれど、その子たちにとっては自分の命の問題だもの。
それはもしかしたら、今日、明日で終わってしまうかもしれない自分の命なんです。
だから、目を見開いて現実を見てくださる人が一人でも増えればいいな。
そうすることで、この現実は変わるかもしれません。
(モミジダイフク - 「映画『犬に名前をつける日』」より)
いただいたメールの最後には、「tomomitさんも、ぜひDVDになったら見てくださいね。辛く悲しい映画じゃありません。きっと希望も感じられる映画だから」 とありました。
そうそう、予告編のどちらのバージョンにも登場する、撮影をしている愛護センターは、ちばわんが活動されている千葉のセンターです。キャスカはここの最終部屋にいました。
はなこさんは、ちばわんボランティアメンバーが収容犬猫の様子を伝える「愛護センター・レポート」も月に一度担当なさっていて、部屋のすみに座り込んでいた赤い首輪をしたセターのことを覚えていてくださった。それから、そのセターがキャスカという新しい名前をつけてもらって、家族ができたことも。なんだかすごく嬉しかった。
名前をつける、ということに私もとても思い入れがあって、以前こんな記事を書いたことがあります。「キャスカがキャスカになる前のこと」。名前がないまま、生きていたことがなかったことになってしまう、そんな犬がいない世の中になりますように。
「名前をつけてやる」って歌もあったよねー
■いつもクリックありがとうございます。今日も良き散歩を!■
これ、絶対に見に行きたいの!
返信削除コロママさん、コメントありがとうございます☆
削除うわーん、私も観たいです。映画の影響力はぜったい大きいと思うから、ヒットしてロングランして、DVDが子どもの命の授業とかでも使われるようになったらいいですよねえ。観に行かれたら、ぜひ教えてください。
素晴らしい企画ですね。本当に教育の一貫として、取り入れて欲しいです。
返信削除私の記憶から、学校で動物愛護の授業はなかったと思います。知ってほしい現実です。
ドイツはイギリスと同じく、殺処分がないことで知られていますが、綺麗事だけではないです。
私は、ハンターの人達と知り合うことが出来て、色んな現状を見聞きしました。
昔は、自分の犬は自分で処理するということも多かったと聞きます。私は、そんなことをとても卑怯で人間のエゴで、冷酷で、吐き気がしました。大嫌いでした。そして、今もそうです。
以前、あるハンターの一人と話をする機会がありました。自分の犬を撃ち殺した事のある人です。彼が譲り受けた犬は、トレーニングの成果もなく、家族全員に攻撃行動を続けたため、殺したそうです。私はこれ程まで、自分の前に立っている人物を憎んだことはありません。でも、後で冷静になって、振り返ると、彼は犬に銃を向けた瞬間の犬の目を見ています。泣き叫ぶ声も聞いています。冷たくなっていく体も触っています。血の匂いも嗅いでいます。そして、50年が経った今も、自分がその犬を校正出来なかった現実を噛み締めています。
飼えなくなったからといって、直ぐに保護団体に連れていく理由に、殺処分がないからという人間を安心させる要因が、逆に無責任にしていることもあるようです。(保護施設はそんな犬で溢れかえっています。)
犬を飼うということは、一つの命を預かること。私も毎日学んでいるところです。
akaさん、コメントありがとうございます。
削除本当に私たちの時にはなかったですね。殺処分をはじめとするアニマル・ウェルフェアの問題については、法律が行政が...というトップダウンを求める声が大きく、もちろんそれには賛同するのですけれど、時に違和感を感じることが実は私はあります。
まさにおっしゃっているようなドイツの保護施設の現状を想像するに、「ふつうの」飼い主の意識が変わらない限り、法律や行政によって蛇口をせばめることはできても、限界があるのだと。ペットショップの生体販売や安易な個人繁殖がなぜ「ビジネス」として成り立つのか、それは需要があるからというシンプルな理由に尽きると思うのです。意識が変われば現実も変えていくことができると信じています。だから子どもたちにはたくさんのことを見聞きして、自分で考えていってくれたらなって切に思います。
イギリスもやはり綺麗事だけではありません。殺処分に関しては、ドイツと異なりあるのです。ただしそれは苦痛を与えない形での安楽死となりますが...(日本はガス室ですね) 対象となるのは行動修正が不可能だと判断されたものと(主にアグレッションだと思います)、病気などからQOLを保つのがこれ以上難しいと判断されたもの。
Non-Killを謳う大きな保護団体もありますが、そこまでのアグレッションを持つ犬を引き受けないだけだという事情もあるようです。よってそういった犬は、Non-Killではない他の団体へ行く。そしていわゆる保健所にあたるPoundもあり、一定期間ののちにどこの保護団体からも引き受けられなかった犬は安楽死となるということを知った時には、驚きました。
私もakaさんと同じくらいにその人を憎むと思います。一方で、自分が手を汚すことなく他人に「殺させる」よりはまだ責任のある行動をしたのか、とも。比較の問題ではないのですが。そして苦痛を最小限にする方法をとってほしかった、とも。
以前、アメリカのアーティクルで、ありとあらゆるアプローチをためし、工夫をし、それでもアグレッションが改善せず幾人かのプロのアドバイスが安楽死で一致し、最後に苦渋の決断として自分の飼い犬を安楽死させた飼い主の手記を読んだことがあります。「犬殺し」と責めるもの、「あなたはよくやった」と慰めるもの、いろいろなコメントがありましたが、私は自分がそれをどう考えるのか、答えが出ないままでした。きっと飼い主本人にしかわからない気持ちがあり、飼い主だけがこれから抱えていくものがあるのだと感じたのでした。
ああ、思いが尽きることなく長くなってしまいました。そう、私も毎日学んで向き合って、です。たくさんの人が繋いでくれた命、豊かな犬生を送らせてやりたいなぁといつもそれが根っこですね。
ちょうど本日見てまいりましたよー!
返信削除我が家のネロは栃木の愛護センターからきましたが、やはりあいだに引き出しのボランティアさんがおりました。
そうした方たちの活動や、預かりさんのお姿を見られて、とてもいい映画でした。
みなさん、命を繋いでくれた方たちですもんね。
映画は重くなりすぎず、でも描かなくてはいけないところは描いていると思います。
ぜひ、ご覧になってくださーい!
セキグチさん、コメントありがとうございます☆
削除はっ、はやい! 11月2日ということで、ワンワンニャーの日でしょうか。コレネロロカ?
そうなんですよね、いっこの命を繋ぐのに実にたくさんの方たちがバトンを回してくださっている。ネロさんのセンター時代を知っている方がいて、きっと今の見違えた姿を嬉しくって仕方ない!とあたたかく見守ってくださる方もいらっしゃるのでしょうね。
重くなり過ぎないこと、子どもにも見てもらえるようにすること、でも伝えたいこと、編集に吟味を重ねたんだろうなあと想像しています。それでも、年を取ってどんどん涙腺がゆるくなり、予告編の千葉の愛護センターの門を見ただけでダーダーと泣いてしまった私でしたが(^^;) DVDを待って、タオルにぎって見ようと思いまーす。
これ、絶対観たいです!
返信削除いつか、きっとDVDで観るぞ~!
こういう犬猫の命の問題、いつか皆が真剣に考えられる日が来る事を祈っていましたが、
単にブームとか、話題になるだけじゃなくて、「そろそろ現実を見て、変えて行こうよ!」という動きが日本に起こりますように、、、、。
「可哀想だから見られない」は、無視と同じ。
可哀想だからこそ、知って欲しい、考えて欲しい、真剣に。
あ~、良かったなぁ、こんな映画を作ってくれる人達がいて。
ナオピーさん、コメントありがとうございます☆
削除目を背けていたけど、もうちゃんと見なきゃ、と思う人が増えたら変わっていきますよね。予告編のなかで団体の方が「本当に好きじゃないんだったら、飼わなきゃいいんですよ」と静かに言っていたのが、印象的でした。本当に好きだったら、無視できないです。
「動物先進国」とよばれるイギリスだって本当は綺麗事ばかりじゃないし。日本はダメ、海外はすごいと単純化しちゃう向きには疑問を感じているんですが、保護活動のドキュメンタリーなどを日常的にTVで見られるというのは、確かにイギリスすごいとも思うわけで。でもそれも、見る人がいるからなのですよね。DVDになったら、一緒に見ましょうー!
マシューは千葉市のセンターから引き取りました。
返信削除ボランティアさんから引き取るときに、初めて中まで入りました。
マシューは子犬部屋で子犬担当のスタッフさんによくお世話をしてもらっていました。
成犬のおりは意外にきれいで静かでしたが、みんな寒そうで不安そうでした。
その前を「この子はもう無理かもしれない」「この子はやっと落ち着いてきた」
と言いながら、なでたりおやつをあげたりしながら案内してくれたボランティアさん。
きわめて冷静に1匹1匹と愛情を持って接している姿が印象的でした。
いろんな感情を自分の中で消化して、逃げずに現実に向き合っている。
私じゃなくてももらい手が必ずいるだろう子犬を、
たった1匹だけ連れて帰ることにひどく罪悪感を覚えて、
複雑な気持ちでセンターを後にしたことを覚えています。
ヨモギダイフクさんのブログにいた白い犬がマシューとダブりました。
名前をつけるってことは私と信頼関係を結びましょうってことだと思います。
一緒に笑ったり泣いたりしましょうよって。
愛情を込めて呼ぶ名前だから、そう私も思っていたから、このタイトルは最高です。
私も勇気を持って見なければいけないな。
小林聡美さんの元ご主人の三谷幸喜さんも大の犬好きで、
2頭のラブをお二人で飼っていたと思います。
トーク番組でも犬の話になると涙していました。
予告編の最後に出てくる上川さんの連れている黒いワンコは
ご自分のノワールちゃんではないかしらね。
brighten-sさん、コメントありがとうございます☆
削除滞在客がいらしてあわただしくしているうちに、返信が遅くなってしまいました。ごめんなさいm(_ _)m
そうだったんですね。マシュー君はセンターにいらして直接引き取っていたのですか。私が保護犬をと探していた時、ネットで「愛護センター・レポート」を見つけて、それがきっかけでちばわんでのキャスカとの出会いがありました。
センターにいる収容動物の詳細な様子を見たのはあのレポートが初めてで、助かった子も助からない子もいるなかで、たった一頭の里親にしかなれない自分にすら罪悪感を覚えました。センターを訪れた時のbrighten-sさんの気持ちを想像して、あらためて同じく複雑な気持ちになります。うまく書き表せないのだけれど...私がこれまで出会ったボランティアの方たちは、国も、所属も問わず本当に強く、穏やかな方たちばかりで、現実を見るという勇気はこういうことなんだとたくさんのことを教わっている気がします。
名前をつけること、名前を呼ぶこと、犬が自分の名前を呼ばれて笑顔で振りむいてくれること、名前って本当に素敵。
小林聡美さんのラブの話は以前どこかで読んだ気がします。離婚したけれど、両者とも犬と離れがたくて小林さんが育てているけれど三谷幸喜もすぐ近くに住んでいるとかいないとか(笑) ← さん付けとさんナシの違いに特に意味はないのですがなんとなく。 あのきゃわゆい黒ワンコはノワールちゃんというのですかー。思わず調べたら、上川隆也が「黒いお宝」とトーク番組でメロメロに語っていたとの記事を見つけました。私たちもまねっこで、「白いお宝」「ブチ宝」と言いたくなりますね。
ブログで映画をご紹介くださり、ありがとうございました!
返信削除なんて、私がお礼を言うのもナンですけれど、
たくさんの方に見ていただきたいので、こうやって口コミで広がるのはとても嬉しいです。
今日、私の友人と、お散歩友だちが映画を見てくれたようで
犬猫の置かれている状況がよくわかったし、保護活動をする人たちの気持ちも理解できたと
感想を伝えてくれました。
ドラマ部分があることでドキュメンタリー部分が曇るのではないかと心配する向きもあったようですが
ドラマがあるからこそ、犬猫事情に明るくない方もスンナリ引きこまれる展開となって
より理解しやすい映画になっているのかな、と思います。
声高に主張するのではなく、衝撃的な映像で耳目を奪うのでもなく、
ただ淡々と、事実を写してくださったこと、
小林聡美さんが、”演じる”のではなく、その場で感じるいろいろをそのまま表現してくださったこと
いろいろが溶け合って、伝わる映画になったのではと思います。
この映画をきっかけに、多くの人がペット流通の闇や犬猫の置かれた状況に目を向けてくださり
近い将来、もっともっと命というものに対して敏感な世の中になってほしいと思います。
tomomitさんもいつかDVDでご覧になったら、感想をアップしてくださいね!
はなこさん、コメントありがとうございます☆
削除本当に多くの方が観にいってらっしゃるようですねー。注目をたくさん集めて、映画がきっかけになりますようにと願っています。監督や出演者のインタビューなどを読んでみても、きっと膨大なフィルムの中から、思いを重ねて編集なさったんだろうなと想像しました。大人でも子どもでも、どんなスタンスの人でも観ていただけるようにと。
ご覧になった方の口コミがまた広がって、DVDになってまた広がって、と良いループが生まれていきますように願っています。近頃はDVD化までも速そうですので、私もすぐに観れるかな?
こちらでは保護団体のレスキューのドキュメンタリーシリーズがあり(イギリスやオーストラリア、アメリカのもの)、毎週放映されているのをTVで見ることができます。イギリスが日本が、という単純な比較には疑問を感じることも多いですが、そういった番組をきっかけに寄付やサポートも喚起され、さまざまな問題点に目が向くことも確かで。はなこさんの思いと同じく、保護活動やアニマル・ウェルフェアについて語ることが、特別なことではなくもっとオープンになっていったらいいなあと思ったりもします。
ノワールちゃんにも似たオルちゃん、その後どんな変化を見せてくれているのでしょうか。またブログにもご訪問いたしますね。これからも、たくさんのことを教えてください!